ハント症候群の事例
顔面神経麻痺にはベル麻痺とハント症候群があります。
ベル麻痺は80%の確率で予後良好です。
ハント症候群は帯状疱疹ヘルペスが原因でなる事で予後不良と言われています。
どちらとも神経障害で
・閉眼できない
・口が塞がらずよだれが垂れる
・咀嚼がうまく行えず噛めない
・顔が左右非対称になり、人前に出るのが恥ずかしくなる
症状は人それぞれで程度があります。
評価として顔の動きをチェックする
『柳原法40点』と『筋電図』があります。
柳原法はいくつかの項目をやり客観的に点数をつける評価方法。
筋電図は表情筋電極をつけて、どの位筋活動があるのか数値でみる評価方法。発症後1週間後の数値で30%以下ですと予後不良と言われています。
当院にはこの『ハント症候群』の患者様を拝見しています。
退院時の柳原法は6点。筋電図は11%。
幸いしたのが、帯状疱疹が皮膚に現れなかった為、顔は綺麗な状態です。
週一回の治療を半年間続けた結果。
柳原法は18点までに回復。
閉眼も出来るようになり、おでこのシワ寄せも出来るようになりました。
点数評価は医師の情報です。
鍼灸マッサージ治療に関して、担当のペインクリニックの先生に治療内容を報告し、時には今の鍼灸治療のやり方が医学的に良いのか判断やご指示を頂きながら継続治療しています。
鍼灸で経過的に低周波鍼通電療法が良い論文を見つけ担当医に相談しました。
すると「現在の状態と経過から低周波鍼通電する事は避けてほしい。しかし、咀嚼に対しては行っても良いと思う。ただし、第一枝、第ニ枝への刺激は気をつけて下さい」と丁寧にご回答を頂きました。
私が望んでいた医師との連携の一つです。
現在、患者様にその旨を説明し同意の元、鍼灸マッサージ治療を行っております。
そう言った連携もあって、予後不良と言われるハント症候群の回復に繋がった物だと思っています。